心理学理論と心理的支援の科目は心理系の大学を出た人は得意分野ですし、心理学が好きな人も高得点が狙える科目です。よって、心理学初学者は幅広い内容にとまどわないように頻出キーワードから押さえていきましょう。受験生が選ぶ頻出キーワード第5位をこの記事では紹介します。
・第5位キーワードの覚え方。
以下、目次となります。
『心理学理論と心理的支援』受験生が選ぶ頻出キーワード第5位は?
この言葉が第5位に選ばれました。オペラント条件付けは心理学を勉強する上でも一番分かりやすく面白みもある内容だと思います。
この理論を提唱したのはスキナーです。まずは『スキナー=オペラント条件づけ』というのは必須の暗記事項ですが、得点力アップを図るにはどのような条件づけなのかをしっかり覚えておく必要があります。
スキナーはねずみを使った実験を行い、オペラント条件付けを提唱しました。その当たりの内容は頭に入りやすいと思うので正確に理解してください。
レスポンデント条件づけ(古典的条件づけ)と対比させて覚える
オペラント条件づけと対比して覚える必要があるのが、レスポンデント条件づけと呼ばれる学習理論です。
こちらの方が有名です。提唱したのはパブロフです。パブロフの犬と言えばお分かりの方も多いと思います。
犬に餌を与える前にブザー音をならします。その操作を繰り返し繰り返し行うことで、犬はブザー音をならしただけで餌を与えなくとも唾液を分泌させることになったのです。俗に言う「条件反射」です。
条件反射は私たち人間に備わった反射の作用です。梅干しを思い浮かべると唾液が出てきます。初恋の時に聞いていた曲をあらためて聞くと胸がときめいたり。学校に行こうとすると腹痛にみまわれたり。このような反射が人間にもあることを発見したのです。
これに対して、オペラント条件付けは「自発的な反応に基づく条件づけ」と言われます。
レバーを押すとエサが出る仕組みになっている箱の中にネズミを入れます。ネズミはたまたまレバーを押すとエサが出てきました。レバーを押すことでエサが手に入った経験を獲得します。これを繰り返し経験することにより、ネズミは意図的にレバーを押すようになります。つまり、ネズミは自分で餌を得るためにレバーを押すようになるのです。
レスポンデント条件づけが、生理的な反射の現象であるのに対し、オペラント条件づけは自発的な反応です。
パブロフの犬ではブザーが鳴ったら反射的に唾液がでてきます。意識的に出しているわけではありません。一方のスキナーのネズミは意図的にレバーを押して餌を得ようする点に特徴があると言えるのです。
4つの型
先の例でネズミはレバーを押すことで快の刺激を受けることができたので、その行動を繰り返すようになりました。逆にレバーを押すと電気ショックが流れるような装置であれば、ネズミはレバーを押さなくなります。
オペラント条件づけでは、行動によって刺激が与えられるか消失するか、その結果行動が増加するか減少するかよって、4つの型に分類されるとしています。
・正の強化
・負の強化
・正の罰
・負の罰
正…快や不快を「与える」
負…快や不快をもたらすために「取り除く」こと
正の強化とは行動によって快刺激が得られる場合です。上のネズミがレバーを押すと餌が出てくるようなパターンです。この場合、行動はの頻度は増加します。レバーを押せば押すだけ餌が出てくるわけですので、頻度が増加するのは当然と言えるでしょう。
負の強化とは行動することによって不快な刺激が除去される場合です。例えば、装置に微量の電気を流しておき、レバーを押すと数秒電気が止まるような状況を想像ください。この場合も頻度は増加します。不快の感情を除去するためにレバーを何度も押そうとするのも理解しやすいと思います。
正の罰とは行動することで不快な刺激が与えられる場合のことです。レバーを押すと電流が流れる装置をイメージするといいでしょう。この場合、頻度は減少します。最初は間違ってレバーを押していても、レバーを押すと電気流れると学習すれば押す頻度は減ってきます。
負の罰とは行動することによって快刺激が消失される場合のことです。自由に取ることができる餌箱が設置されている装置があり、レバーを押すと餌箱が数分間引っ込んでしまう装置を想像してみましょう。この場合も頻度は減少します。レバーを押すことで餌が食べられなくなるのでレバーを押す頻度は減っていきます。
その他、学習理論
オペラント条件づけに代表される学習理論でも他に押さえておきたい内容もありますので、そちらも余力があれば頭に入れておいてください。
まずは、ワトソンの行動主義です。ワトソンの「アルバート坊やの実験」が有名ですので知っている方もいらっしゃるでしょう。生後11ヶ月のアルバート坊やに、「白ウサギを見せつつ、そこで同時に大きな音を与える」という条件づけを行い、ウサギに対する恐怖を植えつつ、その恐怖が白いもの全般に広がる(般化)ことを確認したのです。
そして、その後、その恐怖を消すこと(「消去」)に成功。この「消去」の考え方は、後の「行動療法 」に受け継がれていくのです。
他には、ソーンダイクの「試行錯誤」とケーラーの「洞察学習」も覚えておきましょう。
ソーンダイクは何度も試みて、失敗するという練習を重ねるうちに次第に上達していく思考錯誤により学習されていくとしました。一方のケーラーは「はっ」と気がついたり、ひらめいたりすることで学習が行われることを発見したのです。
ケーラーと言えば、チンパンジーの実験です。
チンパンジーの入れられた部屋の天井に手の届かない高さにバナナが吊り下げていました。チンパンジーは特にいろんな手法を試して失敗を繰り返すと言ったことをせず、しばし考えて、はっとひらめきと部屋の片隅にあった空き箱を積み上げてバナナを手にしたのです。
最後にバンデューラのモデリング(行動を観察するだけで学習する)も出題されやすいキーワードです。余裕がある人は頭にいれておきましょう。
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合格者はこう覚える!
まずはレスポンデント条件づけはパブロフ、オペラント条件づけはスキナー。ここを間違うわけにはいきません。
片方を覚えておけあもう片方も思い出しやすくなります。語呂合わせで「オペラ好き(オペラント、スキナー)」が覚えやすいようです。
また、4つの型もそれぞれ、理解しているか出題されやすい内容です。それぞれの装置をイメージして覚えてください。
正の強化は、レバーを押すと餌が出る装置
負の強化は、レバーを押したときだけ電流が止まる装置
正の罰は、レバーを押すと電流が流れる装置
負の罰は、レバーを押すと餌箱が引っ込んでしまう装置
これらがイメージできれば、行動の頻度が増加するか、減少するかはすぐわかることだと思います。
- この記事でのポイント
・パブロフの犬はレスポンデント条件づけ。間違わないように覚える。
・4つの型をしっかり理解しよう。
・余裕があればワトソン、ソーンダイク、バンデューラも頭に入れる。。