心理学理論と心理的支援の科目は心理系の大学を出た人は得意分野ですし、心理学が好きな人も高得点が狙える科目です。よって、心理学初学者は幅広い内容にとまどわないように頻出キーワードから押さえていきましょう。受験生が選ぶ頻出キーワード第3位をこの記事では紹介します。
・第3位キーワードの覚え方。
以下、目次となります。
『心理学理論と心理的支援』受験生が選ぶ頻出キーワード第3位は?
この言葉が第3位に選ばれました。記憶は理解しやすいのですが、正確に覚えないと他の受験生と差がつきやすいので、しっかりと覚えこむことが大切です。
特に狙われやすいのは記憶の種類です。〇〇記憶という言葉がいくつか出てきますのでその差異をしっかりと理解しておくことが大切です。曖昧に覚えておくと試験の際に足元をすくわれます。
逆に言えば、暗記できていれば、確実に得点源にできます。心理の科目が苦手な人でも理解しやすい内容でもあるのでしっかりと学習しておきましょう。
記憶の仕組み
記憶は記憶の保持時間に着目した分け方をされます。短期記憶と長期記憶という言葉はよく耳にすると思います。
しかし、記憶の中には短期記憶の前の一瞬のイメージが残っているかを見る感覚記憶という言葉があります。
ですので、保持時間別に記憶の種類を分けると
感覚記憶⇒短期記憶⇒長期記憶
と言った分け方になります。
感覚記憶は膨大な情報量を持つため、注意を払わないと感覚記憶として残りません。言ってみれば一瞬で消えるものでもあります。2~4項目しか蓄えられないと言われています。
短期記憶は長期記憶に移らないのであれば、数秒といった単位で失われてしまいます。7±2項目しか蓄えられないと言われています。長期記憶に正確に残すためには反復練習が効果的と言われます。また、まとまりで覚えると長期記憶に移りやすいとも言われます。
長期記憶は何十年もの間、保存されている記憶のことです。頭の中で組織化されているため、忘れにくくなっています。内容が自分にとって意味を持つ場合には長期記憶に残りやすいとも言われています。
長期記憶の種類を覚える!
長期記憶は国家試験でもその種類を狙われやすい内容です。意味がごっちゃにならないように正確に覚えていきましょう。長期記憶には陳述記憶と非陳述記憶がありますので、それぞれについて解説していきます。
①陳述記憶
・エピソード記憶(含自伝的記憶)
・意味的記憶
②非陳述的記憶
・プライミング記憶
・手続き記憶
陳述記憶とは意識としてイメージや言語として思い浮かべる事ができ、その内容について陳述できる記憶のことです。一方の非陳述的記憶とは意識として内容をイメージや言語で思い浮かべることができないためその内容を陳述できない記憶のことです。
陳述記憶はエピソード記憶と意味的記憶に分けられます。エピソード記憶の中には自伝的記憶が含まれます。
エピソード記憶とは、ある特定の時間や場所で個人が実際に経験した出来事に関する記憶のことです。例えば、友人と旅行をした、昨日の朝食に何を食べたかなどの記憶です。時間や場所、感情が入り混じっているのが特徴です。
その中の自伝的記憶とは自分の人生において体験してきた出来事を自伝的に記憶しているものです。中学校の時、初恋をしたのはあの子だったとか、大学試験であの大学に合格したなど。
エピソード記憶は毎日の中で随時記憶されていっていますが、その中で印象に残ったもののみが自伝的記憶として記憶されていくこととなります。
意味的記憶とは一般的な知識に関する記憶です。国の名前、掛け算の九九、歴史の年号、漢字などがこれにあたります。
非陳述記憶はプライミング記憶と手続き記憶に分けられます。この2つも見ていきましょう。
プライミング記憶とは前にある情報が,その後の情報に影響を与えるような記憶のことです。例えば、『悟空、ピッコロ、ベジータ、ブルマ、ヤムチャ、クソリン、天津飯、チャオズ」この中で仲間外れはどれですか?
ドラゴンボールのキャラクターのようですよね。女性であるブルマが答えでしょうか?いえいえ、答えは「クソリン」です。こんなキャラクターはいないですよね。「クリリン」ならいますが、、、このように前の情報の記憶が、無意識にクソリンをクリリンと呼んでしまうようなことです。先入観の記憶とも呼ばれます。
手続き記憶とは言葉や学習で理解して記憶するのではなく「体で覚えている記憶」のことです。例えば、自転車の乗り方などを覚えることなどがこれにあたります。
その他の記憶
記憶の種類にはその他、作業記憶(ワーキングメモリ)、展望的記憶があります。こちらも確認してみましょう。
作業記憶とは短い時間に情報を記憶し,同時に処理する能力のことを指します。会話や読み書き,計算などの基礎となる,私たちの日常生活や学習を支える重要な能力です。
展望的記憶とは、将来や未来に対しての記憶のことです。今日の夕方、友人と食事をする際に時間や場所などを記憶するものです。
このように記憶には様々な種類がありますが、記憶とは、
記銘 ⇒ 保持 ⇒ 再生
から成りなっています。外部から新しく入った情報を正しくインプットし(記銘)、それを一定の期間脳の中に保持し、覚えた情報を正しく再生することにより記憶されたと判断されるようになります。
この過程も重要ですので頭に入れておいてください。
合格者はこう覚える!
社会福祉士試験の中で「記憶」は上述の長期記憶を正確に覚えることが重要だと合格者は考えているようです。
正確に!とは違いを明確にできるか?です。
エピソード記憶は個人の普段の記憶で、その中で記憶に残ったものだけが自伝的記憶として過去の記憶として残っていく。意味的記憶は一般的な知識。
この3つは覚えやすいと思います。
プライミング記憶は上述の「クソリン」で覚えてください(笑)。前に、悟空やピッコロの記憶があると、クソリンをクリリンと誤解してしまうというものです。
手続き記憶は、この「手」を自転車を乗る際のハンドルをにぎる手と結び付けてイメージできれば、身体を使って覚える記憶と理解しやすいでしょう。
- この記事でのポイント
・長期記憶には陳述記憶と非陳述記憶に分けられる。
・長期記憶は正確に覚える。
・記銘⇒保持⇒再生も記憶の課程も頭に入れておく。