『社会システム』第1位(受験生が選ぶ社会福祉士試験「頻出キーワード」)

士郎さん
士郎さん
「社会理論と社会システム」の科目でもいろんな人物が出てくるんだよなあ。同じ人物が何度も出てくる気がします。
aki
aki
「社会理論と社会システム」の科目でもたくさんの人物が出てきます。いろんな考えを提唱している人物は出題されやすいので、そのような人物から覚えていきましょう。

社会理論と社会システムの科目は苦手意識を持ち、0点を取ってしまうのではと危惧している人も多くおられます。これまで社会学を学んだ経験がない方でその傾向が強いです。ですが地道に、分かりやすい、覚えやすい所を中心に興味を持てる所から押さえていきましょう。受験生が選ぶ頻出キーワード第1位をこの記事では紹介します。

・『社会理論と社会システム』で受験生が選ぶ頻出キーワード第1位
・第1位キーワードの覚え方。

 

以下、目次となります。

『社会理論と社会システム』受験生が選ぶ頻出キーワード第1位は?

aki
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第1位 エミール・デュルケム

この言葉が第1位に選ばれました。デュルケム以外にもウェーバー等、社会学において覚えておきたい重要人物も存在します。社会学の発展に大きく寄与した人に関しては、その人物が何をした人、何を提唱したか、組み合わせをしっかりと暗記してください。

社会理論と社会システムの科目でデュルケムは『社会システム』第2位(受験生が選ぶ社会福祉士試験「頻出キーワード」)で出てきたテンニースとごっちゃになりやすい頻出キーワードです。単純に単語が「デ」で始まるデュルケムと「テ」で始まるテンニースが似ている感じがしての間違うという人が多いので注意してください。

 

社会的分業

デュルケムの1つの業績の一つは『社会分業論』という概念を提唱した点です。私たちは社会が分業制によって成り立っていることはわかっていますが、彼は社会が分業されているなぜ分業されているかを考え、分業の発展するにつれ社会がどのように変化するかを考察しました。

社会的分業は
・機械的連帯
・有機的連帯
に分けられます。

機械的連帯、有機的連帯

機械的連帯とは原始的な社会のことで、幾つかの似かよった性質のみで集まった単純な結びつきでのみ成り立っている社会のことを言います。

簡単に言えば、そこで働く人たちが同じことを同じように業務を行うイメージです。

アルバイトを例に考えてみましょう。ティッシュ配りをやることになれば、そこで働くメンバーは教えてもらったやり方で同じようにティッシュを配っていくこととなるでしょう。これを機械的連帯と呼ぶこととしました。

一方の有機的連帯ですが、機械的連帯とは異なり、人々の能力や性格等、その人の個性に着目しそれぞれの人の利点を活かすことで分業制を発達させた社会のあり方ことを言います。

例えば、メーカーが物を作る場合、研究者により新しい商品を開発し、量産するために工場でその商品を作り、営業職の人がその作った製品を売っていくようなイメージです。これを有機的連帯と呼ぶこととしました。

デュルケムは当初、有機的連帯が発展すれば道徳的な結びつきも深まっていくと考えました。

ところが、道徳的な結びつきは有機的連帯が発展すれば、逆に弛んでいくとを発見したのです。

その理由は、上述のメーカーの例では、分業化が進めば、自身の業務さえ上手くいけば良いとの考えから、自分の業務のみに集中することとなり、他の部門の人たちとの交流が薄れ、それぞれの関係は疎遠になっていくからだと考えたのです。

このような有機的連帯が本来は生じるはずの連帯感が逆に弛緩していくような事態を「アノミー的分業」と言います。アノミーとは無秩序という意味です。

アノミー的分業とは規則や秩序といった連帯感を失った分業体制だと考えてください。

デュルケムはアノミー的分業を防ぐためには「個人を尊重する」という新しい道徳の必要性があると提唱した人物なのです。

自殺論

デュルケムは社会的分業の他に「自殺論」に関しても考察しています。
・デュルケム=自殺論
も併せて覚えてください。

デュルケムは統計学を用いて、自殺はどんな時代にも一定の割合でおきるものであるため、社会において自殺が起こることは正常な現象と考えました。

また、デュルケムは自殺がどのような場合に起こりやすいかを調べました。その中の一つに宗教における自殺の割合を調べています。

キリスト教はプロテスタントとカトリックに主に分かれます。デュルケムはプロテスタントの方がカトリックよりも自殺者が多いことを発見したのです。

カトリックとプロテスタントの違いとして、前者は教会の力が強く信者間の結びつきが深いのに対し、後者は集団の力は弱く、個人主義的なところが特徴です。

カトリック:教会の力が強く、信者間の結びつきが深い。
プロテスタント:集団の力は弱く、個人主義である。

上述のとおり、プロテスタントは人々の結びつきが弱いため、自殺がカトリックに比べて起こりやすいのではないかと考えたのです。

このように個人が孤立することで生じる自殺を『自己本位的自殺』と呼びます。

一方、縛られた社会の中で起こるタイプの自殺を『集団本位的自殺』と言います。

また、社会に災害などにより不安が増殖した場合や、オリンピックなどの大きな大会が開催されるような場合にも自殺は増えるとしています。

前者の場合は不安が募ることで自殺が増えるのはわかりやすいと思います。一方の後者の場合は社会の変化が急激に大きくなると人々をこれまで縛っていた規制に弛みが生じます。

規制が弛むと、欲望も大きくなりますが、その欲を満たせない場合に、意欲消失になるからとされています。

これを『アノミー的自殺』と言います。

自殺に関するテーマは出題されやすいので自殺論をデュルケムが論じたことも
是非併せて覚えておきましょう。

 

合格者はこう覚える!

デュルケムで最低限覚えないといけないのは、

・デュルケム=「社会的連帯」(機械的連帯、有機的連帯)
・デュルケム=「自殺論」

この2つです。
語呂合わせで頭に入れましょう。

「毛虫、勇気なく自殺」

ケム(デュルケム)シ(会的分業)、勇気機的連帯、械的連帯)なく自殺。でいかがでしょうか?

  • この記事でのポイント
aki
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『社会システム』科目で受験生が選ぶ頻出キーワード1位はデュルケム。
・デュルケム=社会的分業
・社会的分業は
機械的連帯と有機的連帯に分けられる。
アノミー的分業連帯感を失った分業体制。
・デュルケム=自殺論。