社会保障の科目は、年金や各種保険など私たちの生活の中で関わりの深い内容であるため学習としてはやりやすい科目だと思います。ただし、知識を問う問題が多いため学習の量によって差が出やすい科目でもあるので、しっかりと学習を重ねてある程度の点数を狙える科目にしておきましょう。この科目も最初は頻出のキーワードから押さえていくことと致しましょう。受験生が選ぶ頻出キーワード第5位をこの記事では紹介します。
・第5位キーワードの覚え方。
以下、目次となります。
『社会保障』受験生が選ぶ頻出キーワード第5位は?
この言葉が第5位に選ばれました。雇用保険はご存知の方も多いと思いますが、失業した時の保険として企業が加入している保険になります。雇用保険は他の保険に比べて覚えるべきところは限られてきますので頻出のキーワードを中心に絞って勉強をする方が良いでしょう。
雇用保険のような内容は自分が失業した時にどういう制度が使えるのか、どうしたら給付がもらえるのか。興味を持って学習してみてください。
失業等給付と二事業
雇用保険は労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由生じた場合に必要な給付を行うものです。
また、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活および雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて労働者の安定のため、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大、労働者の能力及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的としています。
この労働者の生活と雇用の安定、就職の促進のために行われるのが失業等給付です。失業等給付は私たちが失業した際に給付金を受け取ることができる基本手当や教育訓練等があります。
雇用保険では、上記の目的を達成するために雇用安定事業及び能力開発事業という二事業が行われます。
雇用保険が失業等給付と二事業から成り立っているということは必須ですのでしっかりと覚えてください。
求職者給付
失業等給付には求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付の4種類からなっています。
さらに、求職者給付は基本手当、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当の4つに分かれます。求職者給付については基本手当を中心に学習しましょう。
基本手当の受給要件…原則として離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上あったときに支給される。ただし、倒産や解雇等による離職者、特定な理由による離職者には離職以前1年間に6か月以上の被保険者期間で足ります。
基本手当の受給手続き…基本手当の支給を受けるためには、離職後、管轄の公共職業安定所に出頭し、求職の申込をし、離職票を提出して受給資格の決定を受ける必要あります。その後、失業の認定日が定められ、雇用保険の受給資格者証が交付されます。
基本手当の失業の認定日…失業の認定は、求職の申込を受けた公共職業安定所において、離職後最初に出頭した日から数えて、4週間に1回ずつ直前の28日の各日において行われます。
基本手当の日額…基本手当の額はその受給資格者について算定された「賃金日額」に原則として50%~80%の範囲の給付率を乗じた額とされます。
就業促進給付
就業促進給付は就業促進手当、移転費、求職活動支援費の3つに分かれます。就業促進給付については就業促進手当を中心に学習しましょう。
就業促進手当は失業者が再就職した際に支払われるもので、再就職手当、就業促進定着手当等があります
再就職手当は就職日の前日における基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある場合に、基本手当日額に支給残日数に相当する日数に10分の6を乗じて得た額が支払われます。
就業促進定着手当は再就職手当の支給を受けた者が就業した日から6箇月以上雇用された場合であって、その就業について日から6箇月間に支払われた賃金より算定される賃金日額に相当する額が当該、再就職手当に係る基本手当日額の算定の基礎となった賃金日額を下回ったときに支給されます。
教育訓練給付
教育訓練給付は雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的として支給される給付であり、教育訓練給付金と呼ばれます。
また、令和4年3月31日までの間に一定の要件を満たした場合には、教育訓練給付金に加えて、教育訓練支援給付金が支給されることとなっています。
雇用継続給付
雇用継続給付は雇用の継続が困難となる事由が生じた際に支給される給付です。高年齢者の雇用継続を目的とするものを「高年齢雇用継続給付」と言います。また、育児休業者の雇用の継続を目的とするものを「育児休業給付」、介護休業者の雇用継続を目的とするものを「介護休業給付」と言います。
二事業
二事業は雇用安定事業と能力開発事業から成っています。
雇用安定事業では「政府は、被保険者、被保険者であった者及び被保険者になろうとする者に関し、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、雇用安定事業を行うことができる」とされていることから、事業主に対し必要な助成および援助、また被保険者の雇用の安定を図るために必要な事業が実施されています。
また、能力開発事業では「政府は、被保険者、被保険者であった者及び被保険者になろうとする者に関し、職業生活の全期間を通じてこれらの者の能力を開発し、及び向上させることを促進するため、能力開発事業を行うことができる」とされていることから、事業主が行う職業訓練を振興するために必要な助成及び援助等を行っています。
合格者はこう覚える!
雇用保険の内容は濃いですが、深くはまりこむことはありません。とりあえずは上記に述べたことのみをしっかり頭に入れてください。
余裕がある方は、次の教育訓練給付の支給額も頭に入れておきましょう。
対象者 | 支給率 | 上限額 |
一般教育訓練を受け、修了した者 | 20% | 10万円 |
専門実践教育訓練を受け、修了した者 | 50% | 120万円 |
①専門実践教育訓練を受け、修了し、かつ修了日の翌日から起算して1年以内に雇用された者 ②専門実践教育訓練を受け、修了した日において被保険者として雇用されている者であって、修了した日の翌日から起算して1年以内に資格の取得等をした者 |
70% | 168万円 |
- この記事でのポイント
・雇用保険が失業等給付と二事業から成り立っている
・失業等給付には求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付の4種類からなる。
・就業促進手当は失業者が再就職した際に支払われるもので、再就職手当、就業促進定着手当等がある。
・教育訓練給付は雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的として支給される給付のこと。
・雇用継続給付は雇用の継続が困難となる事由が生じた際に支給される給付のこと。
・二事業は雇用安定事業と能力開発事業から成っている。