『社会システム』第4位(受験生が選ぶ社会福祉士試験「頻出キーワード」)

福子さん
福子さん
「社会理論と社会システム」の科目ってピンとこない内容が多くて。どうやったら頭に入りやすいのですか?
aki
aki
ええ、そうなんです。「社会理論と社会システム」の科目はなかなか頭に入りずらいと感じる方も多いんです。4位に選ばれたキーワードも抽象的な内容です。内容に関しては大まかな理解で構いません。キーワードにまつわる関連語句を中心に覚えていきましょう。

社会理論と社会システムの科目は苦手意識を持ち、0点を取ってしまうのではと危惧している人も多くおられます。これまで社会学を学んだ経験がない方でその傾向が強いです。ですが地道に、分かりやすい、覚えやすい所を中心に興味を持てる所から押さえていきましょう。受験生が選ぶ頻出キーワード第4位をこの記事では紹介します。

・『社会理論と社会システム』で受験生が選ぶ頻出キーワード第4位
・第4位キーワードの覚え方。

 

以下、目次となります。

『社会理論と社会システム』受験生が選ぶ頻出キーワード第4位は?

aki
aki
第4位 役割取得

この言葉が第4位に選ばれました。役割取得と言うキーワードからミードという人物を思い浮かべる必要があります。キーワードと人物との組み合わせは国家試験で狙われやすいので、確実に覚えておきましょう。

ミードは心理学に社会学を持ち込もうとした人物です。ミードは自分の立場を「社会的行動主義」と呼び、原初的なコミュニケーション行動から人間の内面的な意識に迫ろうとした人物です。

その内容について詳しく解説していきます

 

「主我」と「客我」を理解する。

自我とは自分自身を表す言葉です。「心理学理論と心理的支援」の科目の中に「フロイト」という人物が登場します。

このフロイトは「自我」「エス」「超自我」という構造論を展開した人物です。簡単に言えば、人間にはこの3つの心の働きがあり、「エス」は快楽を優先させ、「超自我」は道徳的な規律に従う無意識的なもの。そして「自我」は「エス」と「超自我」の仲裁役として働き、うまくバランスを取ることで心を平穏につなげているとしたのです。

ミードは、この自我にも「主我」と「客我」の2つの側面があるとしたのです。

主我とは英語で言えば「I」
客我とは英語で言えば「me」

主我(I)は自分自身の内部からくる反応のことです。例えれば、あなたが国家試験の勉強をしているとします。勉強中、まぶたが重くなり、(眠いなあ、、、ちょっとだけ眠ろうかな)心の中でと感じるような反応のことです。

それに対して、客が(me)は、外部からくる反応のことです。例えるとすれば、先ほどの例で勉強をしている際に、親がその様子を見ているとしましょう。

まぶたが重くなても、(親に頑張っている姿を見せないように、集中して勉強しよう!)という風に他者の目を意識するような反応のことを言います。

ミードは、子どもの自我の形成についてまずは自分の親のような「重要な他者」の期待を取り入れることから始まるとしたのです。

そして、ままごことに代表されるような「ごっこ遊び」により「重要な他者」以外の様々な人々の態度を真似をしていき、その際にその人々の役割がどんなものであるかを学んでいくとしたのです。

これがミードの言う「役割取得」の考え方です。

本来自分が感じる「主我」。
社会の期待に答えようとする「客我」。

主我と客我が相互作用し、自我は変化を随時もたらされていきます。その人のパーソナリティを作り出していくとしたのです。

その他、社会的役割

ミードの役割取得は社会的役割の中の一つとされています。

社会的役割には、役割取得の他、役割形成、役割距離、役割猶予(モラトリアム)と言ったものがあります。それぞれ見ていきましょう。

・役割形成…現在ある役割の枠を超えて、新しい人間行為を形成していくこと。ターナーによる概念。

・役割距離…外科手術の際に医者が冗談を言うなど、期待されている役割からすこしずらした行動をとること。ゴッフマンによる概念。

・役割猶予…特定の役割を取得するまえの、猶予期間。

 

ソーシャルキャピタル

社会的役割とは内容がやや異なりますが、「人と社会の関係」の分野の中ではソーシャルキャピタルもよく出題されます。ソーシャルキャピタルとは社会関係資本とも呼ばれ、社会の中の人々のネットワークを資本とみなす考えのことです。結束型橋渡し型があるので、こちらも余裕がある人は頭に入れておいてください。

結束型…集団内で同タイプの人同士を結び付けるネットワークのこと。

橋渡し型…異集団間で異なるタイプの人や組織を結び付けるネットワークのこと。

 

合格者はこう覚える!

役割取得=ミード、重要な他者、主我、客我、ごっこ遊び。

このように役割取得から出てくる語句をしっかり理解しましょう。内容が今一つ頭に入っていなくても、このように頻出キーワードから出てくる関連語句を覚えるのは社会福祉士国家試験の勉強のコツとも言えます。例えば、ミードの名前が他の人物になっていたりすれば、すぐに選択肢を消去することができます。

また、役割取得とともに頭に入れておいてほしいのが「創発特性」という言葉です。

上述の自我に新しい変化を生み出していくことで、巡り巡って社会にまで変化が生み出されていくとの考えです。

この創発特性は「全体は部分の単純総和以上のものである」と言われています。

ある事柄が集合して一つの全体をなす場合、要素の特性の単純な総和では説明できない新しい特性が出現することのことを言い表しています。

得点アップを狙う方は、創発特性も頭に入れておいてくださいね。

  • この記事でのポイント
aki
aki
 ・『社会システム』科目で受験生が選ぶ頻出キーワード4位は役割取得。
 ・「ごっこ遊び」により「重要な他者」以外役割を学んでいく。
 ・役割取得=ミード、重要な他者、主我、客我、ごっこ遊び。のように関連語句を頭に入れる。
 ・創発特性も併せて覚える。