『社会システム』第2位(受験生が選ぶ社会福祉士試験「頻出キーワード」)

福子さん
福子さん
「社会理論と社会システム」の言葉って独特なものもありますよね。カタカナだけでは意味がチンプンカンプンだったりもします。
aki
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「社会理論と社会システム」の科目では一見見ただけでは、何を言っているのかわからない言葉もいろいろあります。何度も口で唱えて抵抗がないようにしましょう。慣れてくれば、頻出キーワードとして頭に入りやすかったりもしますよ。

社会理論と社会システムの科目は苦手意識を持ち、0点を取ってしまうのではと危惧している人も多くおられます。これまで社会学を学んだ経験がない方でその傾向が強いです。ですが地道に、分かりやすい、覚えやすい所を中心に興味を持てる所から押さえていきましょう。受験生が選ぶ頻出キーワード第2位をこの記事では紹介します。

・『社会理論と社会システム』で受験生が選ぶ頻出キーワード第2位
・第2位キーワードの覚え方。

 

以下、目次となります。

『社会理論と社会システム』受験生が選ぶ頻出キーワード第2位は?

aki
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第2位 ゲゼルシャフト

この言葉が第2位に選ばれました。ゲゼルシャフトと言っても、一般の人であればピンと来ない人がほとんどだと思います。ただ、少しでも社会理論と社会システムの科目を勉強したことがある人であれば、必ず目にする必須キーワードでもあります。

社会理論と社会システムの科目でのこの言葉は見たことあるけど、正確には頭に入っていないと言う方も多いです。単語が難しいので理解するのも大変ですよね。ただ、誰が、何を言いたい言葉なのかをしっかりと頭に入れれば記憶には残りやすいと思います。

テンニース

ゲゼルシャフトと聞くと、この考えの提唱者を思い浮かべることが重要です。その人物とはフェルディナント・テンニースという人物です。

社会福祉士の国家試験ではテンニースで覚えておけば問題ありません。

テンニースは『社会をゲマインシャフトとゲゼルシャフトに分類し、社会はゲマインシャフトからゲゼルシャフトに移行する』としました。

社会学では「○○から○○」へ変わっていった。と出てくるものが多くあります。現在の社会が形成されるまでにはもちろんいろんな変遷があったわけですが、それを分かりやすいように「以前は○○と言った社会だったが、それ以降は○○と言った社会に変わっていった」という風に端的にわかりやすくまとめているのです。

国家試験対策としては、

・テンニースという人物
・社会は「ゲマインシャフトがゲゼルシャフト」に変遷していったとした

これを一セットにまずは頭にいれましょう。これだけでも点数を取ることができる問題もたくさん見られます。

しかし、これだけでは不十分ですので、内容もしっかりと見ていきましょう。

ゲマインシャフト

テンニースは以前の社会はゲマインシャフトだった。と言っています。よって、まずはこのゲマインシャフトというキーワードを理解する必要がありそうですね。

ゲマインシャフトとは有機的な社会とされています。

有機的社会?あまり聞きなれない言葉ですよね。このような分かりずらさが社会理論と社会システムの科目に苦手意識を持たせる理由にもなっています。簡単に説明していきますね。

辞書やネットで「有機的」という言葉を調べると、「結びつき」という言葉が出てきます。社会で結びつくものと言えば「人」がまず挙げられますよね。ですので、有機的というと『人と人との結びつきがある』と考えてください。

人と人との結びつきがある社会とは、昔ながらの共同体のイメージです。現代はご近所関係も希薄と言われていますよね。それに対して、昔は核家族も少なく、ご近所さんとの交流も多かった時代です。

社会が地域の中で親密な人間関係を維持していき、その中でその土地の伝統や習慣をが形成されていき各個人もそれを重んじていった時代だったのです。そのような社会をテンニースゲマインシャフトと呼んだのです。

このような社会が形成された理由をテンニースは「本質意志」という言葉で表現しました。本質意思とは人間が本来持っている思考のことです。

人間は生まれながらにして一人では生きて行けませんよね。多くの人に助けられながら、自分も助けながら生きていきます。共同に暮らすことで自分や周りの人々の安心や安全も見込まれ、社会の中で共に生きていこうとする意思が存在すると考えたのです。

ゲゼルシャフト

一方のゲゼルシャフトです。ゲゼルシャフトは上述のゲマインシャフトと反対の意味と考えてください。ゲマインシャフトのところでお話しした人と人との結びつきが薄れていった社会、共同体がなくなってしまった社会の事を言います。

現代の社会、特に都会においては、隣人の顔は知っていても軽く挨拶する程度。また、マンションなどに住んでいる人も多く、その場合でも誰が隣に住んでいるかもわからないと言う人も少なくありません。

今も昔も人は社会の中で生きてはいますが、昔のような人と人が助け合うような共同体としての社会の中では現代の人は生きていない人が多くなっています。このような社会をゲゼルシャフトとテンニースは呼んだのです。

なぜ、このような社会になるのか、「選択意志」という言葉でテンニースは表現しました。

選択意志とは「各人が利害関係に基づき選択していく考え方」だとされています。各々が利益を求めていく中で必要に応じて結びつきを形成していく。言わば、合理的な考え方の事です。

ゲマインシャフトが有機的と言われるのに対し、ゼルシャフトは機械的(血の気が通ってない)と言います。

ゲゼルシャフトの社会は合理的なため、無駄が少なく不必要な結びつきが少ないことが利点として上げられる反面、一つ一つの結びつきは非常に弱く、脆いため、簡単にその結びつきは簡単に分離してしまう可能性も秘めているともされています。

 

合格者はこう覚える!

先にも話しましたが、

・テンニース
・ゲマインシャフト⇒ゲゼルシャフト

この2つは必須です。ゲゼルシャフトの意味がわからなくても、テンニースが社会はゲマインシャフトからゲゼルシャフトに移行していったとの考えを提唱した。という事は確実に頭に入れておいてください。

テンニースを他の人物に入れ替える出題も多々見られます。

ゲマインシャフトとゲゼルシャフトの順番も間違えないようにしましょう。どっちが前だったか忘れそうな人の中には「ゲ(マエ:前)ンシャフト」と文字って覚えている人もいるそうです。

後は、どっちが有機的かどっちが機械的かの違いです。これは昔の方が近隣との交流も多くまとまりがあったとと考えれば、有機的(結びつきの強い)の方が「ゲ(マエ:前)ンシャフト」だと暗記しやすいことだと思います。

 

  • この記事でのポイント
aki
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 ・『社会システム』科目で受験生が選ぶ頻出キーワード2位はゲゼルシャフト。
 ・テンニース、「ゲマインシャフト⇒ゲゼルシャフト」をセットで覚える。
 ・ゲマインシャフトとは有機的(人と人との結びつきがある)社会
 ・ゲゼルシャフトとは機械的(打算で合理的、血の気のない)社会