『人体』第1位(受験生が選ぶ社会福祉士試験「頻出キーワード」)

福子さん
福子さん
人体の科目で、1番真っ先に取り掛かったら良いところってあるのですか?頻出キーワードとして押さえておきたいところから勉強していくつもりです。
aki
aki
人体の科目は幅広いしほとんどが暗記だよ。体の器官や仕組みを覚えるのが大変な人は違う切り口で出題されやすい項目から手を付けてみよう。1位に選ばれたキーワードは受験生なら必ず一度は目にする内容です!

 

人体の構造と機能及び疾病の科目は難易度の高い内容です。体の構造や疾病を全て頭に入れようと思ってもなかなか覚えられません。それはどの受験生も同じ。受験生が選ぶ頻出キーワード第1位をこの記事では紹介します。

・『人体の構造と機能及び疾病の科目』で受験生が選ぶ頻出キーワード第1位
・第1位キーワードの覚え方。

 

以下、目次となります。

『人体の構造と機能及び疾病』受験生が選ぶ頻出キーワード第1位は?

aki
aki
第1位 ICF(国際生活機能分類)

この言葉が第1位に選ばれました。納得される方も多い方と思います。人体の科目の中でも頻出キーワードの中の頻出キーワードですので、受験生ならばこの単語を何度も目にするはずです。

ほとんどの受験生は大切だとわかっているのですが、実際は点数にできない人も多いです。内容が抽象的で、「ちょっと、何言っているかわからない」(笑)と思ってしまいがちです。この項目の中には他にも重要で頻出の言葉がいろいろ出てきますので頻出のところだけでいいのでしっかりと覚えてください。

ICIDHを改定したもの

ICF(国際生活機能分類)は、人間の生活機能と障害の分類法として2001年に世界保健機関(WHO)によって採択された障害概念です。それまでは、ICIDH(国際障害分類)により、機能障害、能力障害、社会的不利の3つの概念で障害を定義していたのです。

ICIDHの概念はこれにより、障害を持つ人のマイナス面を強調する側面を持っていたので批判的な意見もありました。そこで、障害のマイナス面だけでなくプラス面も含む中立的な概念によって分類が必要だとの声が高まり、ICIDHを改定する形でICFが採択されたのです。

ICFは生活機能というプラスの側面の視点を持つことにその特徴があります。


※障害保健福祉研究情報システム

例えば、脳梗塞で倒れたとしましょう。そして、歩けなくなったとします。そうした場合、ICIDHでは、機能・形態障害(脳梗塞)→能力障害(右半身が麻痺して歩けない)→社会的不利(職を失ってしまう)と言った風に一方向的にマイナスの捉えてしまいます。

一方のICFでは、生活機能を心身機能・構造⇔活動⇔参加を双方性(⇔)で示し、また、健康状態、環境因子、個人因子がそれぞれに相互に関係しているとし、必ずしもマイナスの一方向的に考えるべきではないとしたのです。

 

生活機能

上記のICFの図をもう一度見てみてください。真ん中は生活機能と呼ばれます。一番左の心身機能・身体構造の心身機能は「身体系の生理的機能」、身体構造は「器官、肢体とその構成部分などの解剖学的部分」とされています。

わかりやすく言うと、「心身機能・身体構造」とは生物レベルのことです。手足の動き、精神の働き、視覚聴覚などです。

真ん中の「活動」は日常生活活動における生活行為(IADL)のすべてのことです。また、一番右の「参加」とは社会的な出来事に関与したり、役割を果たすことです。

これらは双方向に、強い関係性を示しています。

例えば、先の例のように脳梗塞になったとします。閉じこもっていれば活動は低下します。しかし、リハビリを行えば活動は向上します。これは一番左の心身機能・身体構造と活動が相互に作用するからです。

また、閉じこもって社会参加しなくなれば、鬱など精神に支障を及ぼすかもしれません。積極的に社会参加をすれば心も体も前向きになり症状の改善も見込めるでしょう。

このように、双方向的という点がポイントです。心身機能低下は活動を制限することもありますが、活動を活発にすることで、機能低下も回復することもあり、社会参加をすることで、活動や機能低下も軽快することがあるという考えをIDFではするのです。

「右半身がだめなら左半身を使う」。そうすれば、脳梗塞になっても、できる仕事が見つかり、その結果、麻痺が軽快するというようなプラスの取り組みを進めることができるだろうとしているのです。

 

個人因子、環境因子

個人因子、環境因子を総称して「背景因子」と言います。個人因子とは「個人の人生や生活の特別な背景」のことです。環境因子は「物的な環境や社会的環境などを構成する因子」のことです。

簡単に言えば、環境因子は、その人を取り巻く人的・物的な環境すべてのことです。個人因子は、その人に固有の特徴(年齢、性別、民族、学歴、価値観といった個性)のことです。

上述の生活機能の考え方に加えて、背景にある環境因子や個人因子をプラスに変えていけば、生活機能は一層向上するだろうとしているのです。

このように、ICFにおいて背景因子とは、生活機能に大きな影響を与える因子のこととしており、時に生活機能の低下の原因となる点も特徴と言えるでしょう。

スポンサードリンク

合格者はこう覚える!

大切なのはICIDHとの比較です。比較して覚えてください。

まずはじめに、一方向的か双方向的(相互作用)か?ここを比較して覚えましょう。

ICFは本人の「健康状態」と「生活機能」、それに影響を与える「背景因子」によって構成される概念です。

生活機能の3つのレベル(心身機能・身体構造、活動、参加)は単独で存在しているのではなく、相互に影響を与え合う。つまり、双方向的なのが特徴でしたよね。これはICIDHの一方向的と対比されて出題されやすいです。

また、ICIDHがマイナス面を捉えていたのに対し、IDFはプラス面から見るようになった。ここも比較して出題されやすいので間違えなく頭に入れておいてください。

後はICIDHとICFの時に出てきた語句です。
ICIDH(国際障害分類)…機能障害、能力障害社会的不利
ICF(国際生活機能分類)…健康状態、心身機能・身体構造、活動、参加、個人因子、環境因子、背景因子

これらの語句を聞いてどちらのことを言っているのかも正しく覚えておきましょう。

ちなみに、ICIDHは英語の頭文字で表されていますが、「International Classification of Impairments, Disabilities and Handicaps」のことです。最後のDHの部分は障害の意味です。よって、「障害」という文字を含めばICIDHと覚えておいてもよいでしょう。

  • この記事でのポイント
aki
aki
 ・『人体』科目で受験生が選ぶ頻出キーワード1位はICF(国際生活機能分類)。
 ・ICIDH(国際障害分類)を改定したもの。
 ・ICFは双方向的(相互作用的)なのが最大の特徴。
 ・国家試験対策としてはICIDHと比較して覚える