地域福祉の理論と方法の科目は、地域の福祉に対しての成り立ちやあり方を学べるため非常に勉強になる科目です。今後の福祉は地域によって支え合うことが必要になってくるため、資格取得後も復習する人も多いようです。国家試験においては高得点を狙える科目です。より定番問題が出題されやすい科目ですので、ここでも出題頻度が高い頻出キーワードをしっかり覚えていきましょう。受験生が選ぶ頻出キーワード第2位をこの記事では紹介します。
・第2位キーワードの覚え方。
以下、目次となります。
『地域福祉の理論と方法』受験生が選ぶ頻出キーワード第2位は?
この言葉が第2位に選ばれました。共同募金は、戦後、社会福祉施設のような民間の施設へ財政支援をするために制度化されました。赤い羽根の共同募金をイメージする方が多いと思います。
現在は、各都道府県に設立された共同募金会が実施主体となっています。
この共同募金ですが、社会福祉法に規定されています。「都道府県の区域を単位として、毎年1回、厚生労働大臣の定める期間内に限ってあまねく行う寄付金の募集であって、その区域内における地域福祉の推進を図るため、その寄付金をその区域内において社会福祉事業、更生保護事業その他の社会福祉を目的とする事業を経営する者(国及び地方公共団体を除く。)に配分することを目的とするものをいう。」とされています。
実施の際には、都道府県社会福祉協議体の意見を聞き、配分委員会の承認を得る必要があり、目標額、受配者の範囲、配分方法などを定め公告する必要があります。
歴史と変遷
赤い羽根共同募金は、1913年に、アメリカのオハイオ州クリーブランド市で初めて実施されました。1918年にはコミュニティ・チェストと名付けられました。日本では、1921年に長崎県で始めての募金運動が行われました。
1947年には第一回の共同募金が実施されます。法制化される前の唯一の募金活動として知られています。戦後の復興のための支援に力点が置かれました。
1951年に、社会福祉事業法により法制化されます。その後、市町村社会福祉協議体の組織化が進み、地域全体の福祉を高める活動への支援中心となっていきます。その後は様々な福祉のニーズに合わせた支援のためにその募金額が使用されるようになっていくのです。
赤い羽根共同募金のホームページによれば、「同募金は戦後一貫して、刻々と変化するニーズに臨機応変に対応するため、事業を開拓し、開発し、課題に即応した解決の仕組みづくりを行ってきました。これは制度の「すき間」を埋める絶え間ない努力の歴史です。共同募金は、今後も、地域の支え合いを基本に、社会の課題を解決する動きを、全国で作りだしていきます。」とされています。
概要
共同募金活動は、毎年定められた期間に、すべての都道府県で行われ、その実施主体は各都道府県に設立された「社会福祉法人共同募金会」です。
各都道府県共同募金会には、内部組織(支会・分会等の名称で呼ばれており、9割以上が社会福祉協議会に設置が置かれている)が置かれ、自治会・町内会等の協力の下、募金活動が実施されています。
各都道府県に設立された共同募金会には公正性を保つため、「配分委員会」が設置されています。配分委員会は、各都道府県の共同募金の公正な配分に資することを目的として設置されています。つまり、この配分委員会の承認なしには、その年の募金目標額や配分計画を策定することができず、集められた寄附金の配分を行うこともできません。
集められた募金は、配分委員会の承認を得ることで各都道府県内の「社会福祉を目的とする事業を経営する者」(社会福祉協議会、NPO法人、福祉施設等)に配分されることとなります。
現在の状況
共同募金は制度発足以来、募金額は伸びてきていましたが、平成7年度以降は減少傾向にあります。
駅前で募金箱を持った職員が道行く人に呼びかけ、募金を集めているイメージも強い共同募金ですが、募金額全体の7割以上を「戸別募金」(自治会・町内会等の協力による世帯ごとの集金)が占めています。企業が行う「法人募金」が約1割、職場ごとに従業員が行う「職域募金」が約4%、駅前で呼びかける「街頭募金」は約2%にとどまっています。
共同募金活動は、毎年定められた期間(10月1日から12月31日まで)に、すべての都道府県で行われています。
合格者はこう覚える!
共同募金は2000年の社会福祉法の改正に伴い、以下のような改正が行われています。社会福祉士の国家試験でも狙われやすいところですので頭に入れておきましょう。
・目的の項目の中に「地域福祉の推進」という文言が追加された。
・社会福祉事業、更生保護事業、その他の社会福祉を目的とする事業を経営する者の過半数に配分しなければいけない。との規定が設けられた。
・都道府県共同募金会に配分委員会の設置が義務づけられた。
・集められた募金の積み立てが可能となった。
・集められた募金は、募金の終了した翌年度末までに配分を終了しなければならない。とされた。
共同募金はなじみのある頻出キーワードであるため、勉強しやすい内容と言えるでしょう。出題されやすいところも決まってきますので、上述した内容+αで社会福祉法改正に伴う共同募金の改正事項も頭に入れておくことで、点数アップにつなげていただけたらと思います。
- この記事でのポイント
・実施の際には、都道府県社会福祉協議体の意見を聞き、配分委員会の承認を得る必要がある。
・各都道府県に設立された共同募金会には公正性を保つため、「配分委員会」が設置されている。
・制度発足以来、募金額は伸びてきていましたが、平成7年度以降は減少傾向。
・募金額全体の7割以上を「戸別募金」(自治会・町内会等の協力による世帯ごとに集金)が占めている。
・集められた募金は、募金の終了した翌年度末までに配分を終了しなければならない。